MEMORY-君と過ごした夏-





「ひどいなあ~…もう…

痛いじゃないかー…」

「アンタのせいでしょ?!」


何、コイツ…


榎本は不思議そうに首をかしげて、私にこう聞いた。



「なんで?」




…は?


コイツ…天然?



はあーっ、とため息をついて、舌打ちをした。


「アンタが私の顔覗いたりしてたから…」


私がそう言うと、榎本は「ああー」なんて気の抜けた返事をして、へらっと笑った。


「気持ち良さそうに寝てるなーって」


…変な奴…


心底そう思った。


女子の顔あんな近くで見て『気持ち良さそうに寝てるなー』なんて思う男子がどこにいるのよ……





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