MEMORY-君と過ごした夏-





「…て言うか、今授業中じゃないわけ?」


私は一人になりたい。


それに…


私、男は嫌いだから。


早く消えてほしい。


「頭痛いって言って抜けてきた」


…要するにコイツもサボりか…


あーあ、どうしよう。

帰ってくれそうにないし…

一人の時間が台無し…



「榊さん、おでこ、腫れてる」

「へ?」


気づいたときには―――




榎本の温かい手のひらが、私の額に当てられていた。




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