MEMORY-君と過ごした夏-
「榊さんってさ、いっつもつまんなそうにしてるよね」
――え…
なんで知ってるのよ、そんなこと。
そんな意味を込めて榎本を睨むと、榎本は私の視線には気づいていないのか、言葉を続けた。
「いつも教室の隅で誰ともしゃべらないで…あ、時々優也とはしゃべってるね
まあそれは置いといてさ、いつも一人で退屈そうに窓の外眺めて、ため息ついてるよね」
なんでこんな詳しく…
ちょっと危ないにおいを感じて、少し後退りした。
さすがに榎本も気がついたのか、焦ったかのように口を開いた。
「いや、でも俺、かっけぇなーって思って」
……は…
『かっけぇなー』?
…どこがよ…