MEMORY-君と過ごした夏-
あまりにも。
あまりにも澄んだ、青空みたいな瞳で言われたから――――
『可愛い』なんて、寄ってくる男に散々言われたことある。
それなのに――――
私は、自分の顔がどんどん赤く染まっていってるのに気がついた。
「なんなのよ……ッ」
私の呟きは、青空に吸い込まれて消えた。
―――今思えば。
私はこの瞬間から、彼に―――
榎本蒼太に、恋をしていたのかもしれない。
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