MEMORY-君と過ごした夏-





あまりにも。


あまりにも澄んだ、青空みたいな瞳で言われたから――――




『可愛い』なんて、寄ってくる男に散々言われたことある。



それなのに――――





私は、自分の顔がどんどん赤く染まっていってるのに気がついた。




「なんなのよ……ッ」




私の呟きは、青空に吸い込まれて消えた。















―――今思えば。



私はこの瞬間から、彼に―――








榎本蒼太に、恋をしていたのかもしれない。








< 90 / 237 >

この作品をシェア

pagetop