MEMORY-君と過ごした夏-
「でもさ、それでナオに近づくなって言って…
アカネさんは本当に救われたと思う?」
―――…え…
救われたと思う?って…
そんなの…知らないわよ……
「僕は、アカネさん…きっと今、ナオに言ったことを後悔して…すごく苦しんでると思う
なんでまた同じ間違いを繰り返しちゃったんだろう、って…
だから、もう一回…行かない?
ソウタのお墓に」
…なによそれ…
なんで…なんでそんなこと言うの?
意味…わかんない。
ふざけんな…!
「…シロになんで茜さんのことがわかるわけ?
同情でそんなひどいこと…言わないでよ!
もう私は傷つきたくないのよ!!」
耳をふさいで叫ぶ。
同情されたくなんてない。
蒼太と同じ顔して…同情なんて、絶対されたくなんてない。
そう思って目をつぶっていたら、強い力で手を掴まれた。
そのまま無理矢理耳から手を剥がされる。
また怒鳴ろうと口を開こうとしたら、シロの声に遮られた。
「じゃあナオは、このままでいいの?!」