MEMORY-君と過ごした夏-
シロが、怒っていた。
今まで浮かべていた笑顔は消えていて。
いつも白い頬に、赤みが差していた。
シロのこんな顔…初めて見た。
呆気に取られて声が出せない。
シロは私のこんな状態を知ってか知らずか、ぽつぽつとしゃべり始めた。
「…ナオは、もう一生ソウタのお墓に行けなくていいの?
アカネさんと会えなくていいの?
そんなの…本当は嫌なんでしょ?
だから涙が止まらないんでしょ?
素直になっていいんだよ?
そうやって自分の気持ち抑えてたら…いつかナオ、壊れちゃうよ
僕は、ナオが誰よりも大切だから
だから…お願いだよ」