MEMORY-君と過ごした夏-
――誰よりも大切――
なんで、そんなこと言ってくれるの?
優しい、とか、大切、とか…
私のこと、なんでそんな風に言ってくれるの……?
わかんない…
わかんないよ…
「ねえ、正直に答えて…
ナオは、どうしたい?」
そう言う蒼太の瞳は、どこか悲しげで―――
私…
私は……
「…茜さんに会いたい
蒼太のお墓に…行きたい」
私、自分の気持ちに正直になってもいいの…?
でも…
また拒絶されたら…誰かを傷つけてしまったらどうしよう。
色んな気持ちが溢れてきて…
気づいたら私はまた、泣いていた。