MEMORY-君と過ごした夏-
「じゃあ、行こうよ」
シロが私の手を握った。
強く、強く。
「何もしないで世界が変わることなんてないんだよ
自分から動かないと…何も、変わらない
それで傷つくことだってあるかもしれない
でもさ―――
きっと、そういう世界の方が楽しいよ!」
―――ああ…
シロの手を握り返した。
なんで、なんで…
なんで蒼太と同じこと言うのよ…
そんなの…
抗えるわけ、ないじゃない……
握った手を繋いだまま、私とシロは歩き始めた。
柄にもなく、夕日が綺麗だな、なんて思った。