MEMORY-君と過ごした夏-
愛されてた
「…また来たのね」
蒼太のお墓に行くと、茜さんが私を待っていたかのように立っていた。
冷たい目で私を見つめている。
でも、そらしちゃいけない気がして―――
私は茜さんの目を見つめ返した。
「来ないでって…言わなかったっけ」
「…言われました」
「じゃあ…なんで?」
なんで…か。
この行動に理由をつけるとしたら…
それは……
「私が、来たかったからです」
これ以外、ないだろう。