MEMORY-君と過ごした夏-
「来たかったから、って…ふざけてるの?」
そう言って私を鼻で笑う茜さん。
ううん。
ふざけてなんて…ない。
「茜さんが私に会いたくないってことは…知ってます
昔の自分を思い出すから、って
でも、それと私の気持ちは関係ありませんよね?」
生意気言ってるのはわかってる。
けど…殴られたって、蹴られたって―――
私は蒼太を忘れたり出来ない。
この気持ちにだけは嘘を…つけない。
「茜さんがどうしても嫌だって言うなら、私、変わります
茜さんが昔の自分を思い出せなくなるぐらい、変わります
だから、だから、せめて―――
蒼太のこと、覚えてちゃダメですか?」