星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
30.電話
メテオの閉店時間も過ぎ、掃除と翌日の準備も済ませ、康則の「オツカレ、また明日」の言葉と共に恭司はメテオを出た。
一時間ほど前に、社長である父親から電話が入っていて、もう一度会社に戻ることになった恭司は、店から少し歩いたところにある駐車場に向かった。
雨が止んだばかりのようで、空気が湿っぽい。
曜日で言えば、既に土曜日になっている時間だった。
会社に着いて、自分のデスクの上にあるメモとファックスに目を通し、搬入済みの伝票に書かれた機材の製品番号を確かめる。
朝一番で確認の電話を入れてから、現地に向かわなくてはならないだろうな、と恭司は溜め息を吐いた。
出来る準備は一通り済まして、恭司が自分のマンションに一度帰ろうとした時に、携帯電話が鳴った。
(またか)と思い、画面も見ずに電話に出た。