星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
「もしもし」
耳に聴こえたのは、父親の声ではなく、女性の問いかけるような「もしもし」だった。
仕事モードになっていた心がふっと甘い空気に包まれる。
「――綾?」
「うん」
最初の一言だけで綾だと分かった自分に恭司は少し驚いた。
「仕事、終わったの?」
「うん。終わってからメテオに寄ってみたんだけれど、もう閉まっていたから。こんな時間にごめんなさい」