星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY


メールの着信音が鳴る。

誰からかは想像がつく。

左手を伸ばし、ボードの上から携帯電話を取って見ると、予想通り上野からのメールだった。

内容はきっと、今日のお礼と次に会うための口実が書かれているだろう。

そのメールを見るのに溜め息が出てしまう。

こんな気持ちなら、もうやめたほうがいい。

それでも断りきれないのは、心のどこかで一人になる淋しさを拒んでいるだろう。

綾と連絡が取れなくなって七年。

もうとっくに、忘れてもいい頃だと思うのに、心は少しも思い通りにならない。



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