星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
31.凸凹する感情
静が居ない初めての土曜日とライヴを無事に終えることが出来た。
康則は客の居なくなったフロアを眺めながら、背伸びをして大きく息を吐いた。
恭司と大輔はテーブルをいつもの場所にセッティングし直している。
百合はグラスを棚に戻していた。
視線をフロアに向けると、恭司と大輔の姿が見える。
思わず百合の表情が緩んでしまう。
今ここに、河原綾も居ないし、あの静も居ない。
恭司と同じ場所でこうして働くのは憧れていたことであったし、その場に大輔もいるということが、百合の心に小さな快感を生まれさせていた。