星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
「ヤスさん、俺も今日は帰ります」
「そっかぁ、明日もあるしな。お前らも疲れてるだろうし――」
小さく頷きながら言った康則は、すぐ傍に居た百合を見た。
「百合ちゃんも帰ったほうがいいな。送ろうか」
「ヤスさんがですか?」
「あ、いや、そっか。恭司がいいよね。恭、悪いけど百合ちゃんのこと送ってくれるか?」
「あ――」
恭司は大輔を見たが、彼は表情一つ変えず椅子を運んでいた。
綾を自分に会わせてくれた大輔の想う人は、百合であることを恭司は知っている。