星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
36.想いのカタチ(三)
数分しか経っていないのに、圭吾は苦い薬を飲むように眉を寄せて新しいタバコを口に銜え、タバコに火を点けた。
「まさかこの歳になって、こんな話をすることになるとはな」
苦笑いをしながら圭吾はベンチに腰を下ろした。
恭司もその隣りに座る。
「でも、まぁ、自分の身内が絡むことだと思っているんじゃ、知りたいだろうし、話さないわけにもいかんよな」
圭吾は恭司の頭をぐしゃぐしゃと撫で、目を細めた。