星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
「時の流れや巡り合わせというものは、感動的でもあるな。高坂と恵の息子がギターを弾く姿を初めて目にした時は、目頭が熱くなったことを覚えてるよ」
圭吾が自分をそんな風に見ていてくれたことを、恭司は初めて知った。
くすぐったいような、恭司は心の中で照れ臭さと温かさを同時に感じた。
屋上から病室に戻り、圭吾が恭司に(もう帰れ)と言わんばかりに右手を振った。
恭司は苦笑いを見せて「お大事に」と右手を上げ病室を出て行った。
その後ろ姿を見ながら圭吾は大きくあくびをした。
「素直なヤツだから、俺の話を信じてくれただろう」
呟きながら、圭吾は目尻を下げ、頭を掻いた。