星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
37.土砂降りの雨の中で
圭吾が入院している病院から恭司はまっすぐメテオに向かった。
圭吾とあんな話をしていたせいか、綾に会いたくてしかたなかった。
圭吾と話したことを早く綾に伝えたかった。
両親以外に自分の存在を大切に思っていてくれる人がいること。
そして圭吾のように大好きな人と別の道を選ぶことが、自分は出来ない人間であることを言いたかった。
こういうところが、自分は父親に似ているかもしれないと、恭司は感じた。
愛する人と、お互いの夢を叶えるべく方法を考え、行動する両親たちが自分にとって憧れだったのだ。
父は自分の夢を実現し、会社を大きくしつつも、母を愛し続けている。
母は父を束縛したりはせず、自分の夢をカタチにして店を持った。
綾と自分も、互いのことを大切にしながら、それぞれの夢を追っていけたら――。
そうなれたらどんなに幸せな日々を過ごせるかを、綾に伝えたかった。