星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
38.紅茶派の珈琲
七年前のあの日も突然雨が降ってきた。
「初めてこの店に連れてきてくれた時の帰りも、こんな風に雨が降り出したよね」
綾が笑う。
自分だけでなく、綾も七年前のことを思い出していたことを知った恭司は、この七年間抱え続けていた想いを綾に話したくなった。
雨は激しさを増し、雷鳴が響き始めた。
「月曜日だし、こんな天気じゃ客は来ないかもなぁ」
「そうね。もしお客さんが来なかったら、恭と二人でいろんな話が出来るね」
「客、来ないといいな。綾に訊きたいことがいっぱいある。連絡が取れなくなった理由は、大輔さんから聞いていたけど。あの時さ、俺、自分のこと、なんて間抜けなんだろうって思ったよ」