星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
40.嘘
激しい雨の音で、大輔がメテオの裏口から入ってきたことに、恭司と綾は気付いていなかった。
大輔がフロアに入ろうとしたときに、カウンターの椅子に並んで座っている恭司と綾の姿が見えた。
大輔は足を止め、フロアには入らず佇む。
微かに聞こえる会話から、二人が今、七年の月日を埋めているのだと感じた。
良かった――。
二人は七年もの間、同じ想いを抱え、今やっとあるべき関係を取り戻したのだ。
綾を見ると、大輔には見せたことがないような表情で微笑んでいる。
胸の奥で少しちくりとするものを感じた。
フロアには入るに入れず、大輔は事務所に入る。