星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
大輔は少し笑って、振り返った。
最初に目に入ったのは、見覚えのあるピンク色の傘だった。
一人の女性がこちらに向かって歩いてくる。
百合だ。
左手には閉じられた黒い傘を持っている。
俯いて歩いていた百合が顔を上げ、大輔に気付いた。
そして、メテオのドアに掛けられている札を見る。
「あれ、今日はまだ開けないの?」
百合は首を傾げて大輔を見る。
大輔に一瞬の迷いが生じる。
大輔は今まで、百合に嘘を吐いたことはなかった。
「ここ、年中無休じゃなかった?」