星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
5.恋と執着
ATMでお金を下ろし、残高を見て百合は溜め息をついた。
携帯電話を取り出し、母親宛にメールを送る。
《今月、少し厳しいので、もう少し送って欲しいの》
このメールを母が見れば、明日には口座に五万円ほど入金されているはずだ。
送信した後、百合はまた溜め息を吐いた。
私はいつまでこんな生活をしているのだろう。
視線を道路に向けると、スーツを着た同世代の男性や、勤め先の制服と思われる服でコンビ二から出てくる女性、若くても子どもを抱いて歩いている人などが目に入る。
自分はこのままでいいと思いながらも、百合は自分の心の中に影があることに気付いている。