星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
やっと手に入れた。
大輔は百合の首筋に唇を押し当ててみた。
百合は静かに目を閉じる。
「もう納得出来たのか」
敢えて恭司の名前を出さなかった。
出さなくても百合には分かるはずだ。
彼女が長年囚われ続けていた想いは、ただ一つだったはずだから。
そして拘り続けたその場所には、河原綾がずっと在り続けた。
「納得なんかしてないわ。初めて天秤に掛けて、欲しいものより無くしたくないものがわかっただけ」