星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
恭司の言うとおり、平日の中でも、この日は際だって客が少なかった。
十時半を過ぎると、最後の一組の客も会計を済まして、店を出ていった。
「本当に暇だったね」
百合は最終オーダーの時間まで三十分ほどあることを時計を見て確認した。
「まだ、閉店は出来ない?」
百合が訊くと、恭司は少し考えながら、店のドアを開けて、外を見た。
「雨が降ってきたよ」
恭司はドアを閉めて、百合を見た。
「もう閉めても大丈夫だと思うよ」
「じゃあ、掃除始めちゃうね」
百合が言うと、恭司は頷いた。