星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
ダメもとで言ってみた。
驚いている恭の顔を見ていながらも、大輔との初めてのキスが鮮明に蘇ってきて、百合自身驚いていた。
今の私のキスしたい人は、恭ではないのだと実感した。
「――心配しなくても冗談だよ。私、大輔さんが必要みたい」
恭司は百合の顔を見ながら穏やかな表情で頷いた。
「だから、もう私に揺れないでね」
「了解」
「あと五年もしたら、綾さん四十過ぎるんじゃない? その時後悔したって知らないからね」
目を大きくして恭司は笑う。
「その時は大輔さんのことを羨ましく思うことにするよ」
「あはは」
百合は恭司の前で初めて自然に笑えた気がした。
「あははは」
笑いながら、目が潤んできた。