星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
49.雨とさきいかとコーラ
「お疲れさまでした」
綾が仕事を終えて、居酒屋『どんぐり』の店内から外に出ると、恭司が傘を持って立っていた。
「お疲れさま」
「恭、どうしたの?」
「雨が降っているから、送っていこうと思って」
恭司は少し前に止めてある自分の車を指さし、自分の傘に綾を入れる。
綾は開きかけた自分の傘を閉じて、恭司の傘の下に入る。
その行動がとても自然だったのが、恭司には嬉しかった。
七年前とは違って、綾と近くなったと確信できる。