星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
男は目を伏せ、何かを考えているように見える。
そして次に百合の顔を見たときには済まなそうに苦笑いをして「――帰るよ」とだけ言った。
これ以上何か言っても、彼を引き止めることが出来ないことは、長い付き合いになった今の百合にはよくわかっていることだった。
百合は小さく頷き、助手席のドアを開ける。
「――恭、また連絡するね。送ってくれてありがとう、ね」
「ああ、それじゃ」