星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
ラストオーダーの時間も過ぎ、最後の客が出て行った。
恭司がワイシャツの袖を伸ばし、背伸びをしたところに静がコーヒーを出した。
「お疲れ様。助かったわ。少し横にもなれたし。ほんとうにありがとう」
「いえいえ。これくらいならいつでも手伝うよ。働いた分はおやじさんへの見舞金に回して」
「そうする」
にっこりと微笑む静だが、何かを言いたそうにしていることに恭司は気付いた。
「どうしたの?」
「あー、うん。あのさ、恭くんのお母さんは元気にしてる?」
「母さん? 相変わらずマイペースで元気だよ。親父も元気」
「そう――。あのね、こんなこと恭くんに頼むのはどうかと思うのだけど、お願いしたいことがあるの」