星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
器を眺めたまま、バッグから携帯電話を取り出し、親指で押し慣れた順番でキーを押す。
携帯電話を耳に当てる。
呼び出し音が鳴っているのが止むと、聞き慣れた声が百合の名前を口にした。
「どうした?」
「今から行ってもいい?」
少し間が空いた後、「一時間後でもいいなら、迎えに行くよ」と言われた。
「うん。いいよ」
電話を切って、大きく溜め息を吐く。
また同じコトをしている自分にもう一度溜め息を吐いた。