星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
「冬の大地を乾燥から守るかように、根雪が地面を包んでいるように見えたときがあって、それを描いてみたんです。実際に見ると太陽の光とセットになって、綺麗なんですよ」
「へぇー、面白いね」
大輔はそう言いながら、四枚目を手にした。
それは先に見た色彩が美しい三つとは違い、淡いモノトーンだった。
エレキギターのネックに頬を寄せて、ギターのボディを両腕で抱く女性の姿が描かれていた。
女性の目は伏し目がちで、口角をふわっと緩めて上げている。
衣類の描写はないが自然で、穏やかな愛情に包まれているような絵だ。
「これは――」
大輔の視線が綾に向けられた。
綾の頬が少し紅くなっている。