星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
康則と恭司の仲の良さは百合もよく知っている。
だからこそ康則の妻である静は、百合にとって敵にはしたくない存在だ。
しかし、百合は静が大の苦手である。
大輔とのことを知られていることもあるが、百合にとって静ほどその存在を嫌味に感じる相手はいなかった。
それはあの河原綾に対してよりも強く感じているかもしれない。
特に何かに優れていると言う話を耳にしたことはないが、静はいつも自信に満ち溢れているような表情で、誰からも慕われている。
同性の多くから慕われている康則と結婚してからはなおのことだ。
妊娠して仕事を辞めた今、静は専業主婦という地味な存在のはずなのに、自分より社会に必要とされているように百合には感じてしまう。
自分とはまるで違う。
だからコンプレックスを感じずにはいられない。
でも、恭司はまるで実の姉のように彼女を慕っているから、どうしても上手くやっていかなくてはならないのだ。