星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
18.戻してあげたい場所
ギターに寄り添い抱き締める女性の絵を眺めながら、大輔は小さく溜め息を吐く。
あの人は、恭司が想っていた人だ。
いや、多分、想い続けている人なんだろう。
そして、この絵を描いた彼女も恭司のことを忘れているはずはない。
百合が受け入れてもらえないはずだ。
大輔は自分のベッドに腰を落とし、傍にあったレスポールを抱える。
相手本人を描くのではなく、大切にしているものを描くというのは、ストレートな想いよりももっと大きい何かを感じるものなんだなぁと、大輔は瞼を閉じた。
それと同時に、百合は河原綾の大きな想いに敵うわけがないだろうな、と感じた。