星屑恋夜~【恭&綾シリーズ】3~LAST STORY
「――えっ」
心臓が止まるかと思った。
その女性は立ち上がり、両手で自分の口を隠すようにしながら、大きな瞳をさらに大きく開き、驚いている。
恭司はその女性の瞳が段々と潤んでいくのを見ていた。
もしかすると、潤んでいるのは自分の目のほうかもしれない。
そうとも思った。
「まいったな」
大輔がポツリと呟く。
カウンターを挟んで立っている静も苦笑いをしている。
「自然な形も何もあったもんじゃない。一目で気付きやがった」
大輔はそう言うと立ち上がり、恭司の頭をツンと人差し指で押し、自分の座っていた椅子に恭司を座らせた。