カラダ探し
その後に一階に向かって、最初の部屋に入ろうとした時に、校内放送で「赤い人」を呼び寄せられたらしい。


時間的には、高広が殺された後になる。


「あ、うん。旧校舎に現れたって校内放送は、私も聞いたよ」


「そうなんだ? 高広の空耳じゃなかったんだね」


相変わらず高広を信じていない様子の留美子。


「でも、外に出られないんじゃ、意味がないよね。それとも、放課後にどこかの窓ガラス割っておくとか」


「留美子、それはダメかも。窓ガラスが割れてても、見えない壁があったら意味ないでしょ?」


「あ、そっか。校門からも、それで出られないんだったね」


そう言って、再び考え始める留美子。


やっぱり、しらみつぶしに探すしか方法がないのかな?


と、そう思った時だった。


「あれ? そう言えば……外に出られる場所、あったよね?」


何かを思い出したかのように、理恵が答えたのだ。


「え!? そんな所あったっけ!?」


後ろを歩く理恵の方に振り向き、驚いたようにたずねる留美子。


私もわからない。あったよね?とか言われても、あったのかすら覚えていないから。
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