カラダ探し
考え込んでいた翔太が、頭をかきむしりながら吠えた。
良い案が思い浮かばないのか……これほど悩んでいる翔太は珍しい。
それはそうだ。口では「失敗しても『明日』がある」なんて言ってみても、死の痛みと苦しみは、何度も味わうのは嫌だ。
それに、「赤い人」が持っているぬいぐるみの中に遥の頭があるのなら、絶対に「赤い人」を避けては通れない。
ぬいぐるみを奪った時点で、その人は必ず殺されるから。
「翔太、考えている事を皆に教えてよ。ひとりで考えないでさ、皆で考えようよ」
私の言葉にも考え込む翔太。
それをやめてほしいって言っているのに。
「……そうだな。じゃあ考えてくれ。俺の考えは、このホールまでは逃げない。ここにひとり待機して、この上からぬいぐるみを投げる」
この上……翔太が指差したのは大職員室の前の廊下。
吹き抜けになっているこのホールは、廊下から見下ろす事ができる。
そこから投げれば、確かに階段を下りる時間も短縮できるし、何より棺桶に頭を納めるまでの時間稼ぎになるから。
問題は、ここに「赤い人」を連れてくるまでに、ぬいぐるみの中から頭を出しておかなければならないという事だ。
ここでその作業をしている間に「赤い人」は来るかもしれないから。
良い案が思い浮かばないのか……これほど悩んでいる翔太は珍しい。
それはそうだ。口では「失敗しても『明日』がある」なんて言ってみても、死の痛みと苦しみは、何度も味わうのは嫌だ。
それに、「赤い人」が持っているぬいぐるみの中に遥の頭があるのなら、絶対に「赤い人」を避けては通れない。
ぬいぐるみを奪った時点で、その人は必ず殺されるから。
「翔太、考えている事を皆に教えてよ。ひとりで考えないでさ、皆で考えようよ」
私の言葉にも考え込む翔太。
それをやめてほしいって言っているのに。
「……そうだな。じゃあ考えてくれ。俺の考えは、このホールまでは逃げない。ここにひとり待機して、この上からぬいぐるみを投げる」
この上……翔太が指差したのは大職員室の前の廊下。
吹き抜けになっているこのホールは、廊下から見下ろす事ができる。
そこから投げれば、確かに階段を下りる時間も短縮できるし、何より棺桶に頭を納めるまでの時間稼ぎになるから。
問題は、ここに「赤い人」を連れてくるまでに、ぬいぐるみの中から頭を出しておかなければならないという事だ。
ここでその作業をしている間に「赤い人」は来るかもしれないから。