カラダ探し
「あ、明日香、留美子、おはよう」
少し伏し目がちに私達に声をかける理恵。
「赤い人」に殺された事に、引け目を感じているのかな?
「理恵、あんた大変だったみたいだね『赤い人』がそっちに行ったでしょ」
「昨日」の夜、3人を笑っていた留美子も、理恵には毒づかないようで安心した。
「う、うん。でもさ、翔太も頑張ってたし、『赤い人』にずっと追いかけられてたんだから。少しかわいそうだったよね。翔太の方が大変だったと思うよ」
その事については、私は何も言えない。
翔太が笑ってたなんて言えば、また仲が悪くなりそうだから。
でも……留美子は私とは違った。
「理恵! あんた甘いよ! 生産棟で、誰かが振り返ったんでしょ?」
そうたずねた留美子に、驚いたように小さく何度もうなずく理恵。
留美子は、理恵に一体何を言おうとしているのだろう?
なんだか嫌な予感がする。
「健司が、翔太を追いかけてた『赤い人』を見ちゃってさ。理科室で、カラダを見つけたのも健司だったんだ。でも、うれしかったのかな? 私と高広に見せる為に振り返ったの」
やっぱり。廊下で理恵が死んでいたから、高広か健司のどちらかが見たとは思ってたけど。