俺様男子とラブ同居
俺と歩夢は、2階から1階の様子を伺う。




「俺がリビングに用があるフリするから、その間に風呂入れ」

「ホント!?ありがとう」


歩夢は一旦部屋に入り、部屋着を持って出てきた。




「行くぞ。俺がリビングに入ったら、さっと脱衣場入れよ」

「………」

「…聞いてんのか?」

「慶太・・今日は優しいね」

「っ!」


隣で、ボソッとそう言った歩夢。




「う、うるせえ。行くぞっ」

「はーい」


俺は歩夢に背を向けて、リビングへ…

案の定、親父と奈緒子は、まだケンカ中だった。


俺は冷蔵庫を開けたり、なにかを探してるフリをしてりした。

そして、歩夢が脱衣場に入ったことを確認したあと、用もなくトイレに逃げ込んだ。




”慶太・・今日は優しいね“


あいつから言われた言葉が、頭から離れない…


オマケに心臓がうるせえ。


なんなんだよ、ホント…ダセェな。




俺はしばらく、トイレから出られなかった…

心臓は、しばらくうるさかった…
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