車椅子から見える愛
帰ってくると涼太はまた、オモチャで遊んで宿題なんかしない。
「涼太、宿題しなさい」
涼太はゲームに夢中だ。
「涼太、お風呂入ろう」
何回か言ってやっと入るって感じよ。
でも、入ると今度はお風呂の中で遊んで、なかなか出てこないの。
母は涼太の子育てには苦労しているようだったわ。
私のことは苦労よりも心配が多かったと思うんだけどね……。
涼太のことは、外に行けば心配で、家にいるということを聞かないことに、どうしていいのかわからずに悩む毎日。
母親は大変だな〜。
そして丁度この頃から父が病気になり、入退院を繰り返していたの……。
だから、なおさら大変だったのだと思う。
でも母は決して大変という言葉は使わない人なのよね……。