車椅子から見える愛

その日、母の母、つまり私のおばあちゃんも付き添いで来ていたんだけどね。
でも母は、自分の運転する車の中で、おばあちゃんに双子であることを伝えることができなかったの。
何故かって？
その時母から受け取ったテレパシーによると、やっぱり不安の方が強かったからなのよ。


そのまま実家へと向かい、やっとお医者さんから双子だと言われたことをおばあちゃんに言ったの。
おばあちゃんも驚いていたわ。
そして、どうするのかと母に言ったのよね。
そうよ、おばあちゃんから「どうするの？」って言われると思ったから、母もすぐには言えなかったんだわ。


誰でも赤ちゃんができることは嬉しいことで、何も考えることも悩むこともないと思うかもしれないけど、ふたつの命をちゃんと育てていくにはそんな簡単なことではないんだと思うの。


でもそこは母みゆきの性格からして、おばあちゃんに言ったことで少し安心して、次の瞬間には嬉しさが込み上げてきたんだけどね。
結構単純なのよ母って。