車椅子から見える愛
葬儀が終わり、私も一緒に火葬場へ。
最後のお別れのとき……。
母はずっと涼太の頬を撫でていた。止める人がいなかったら永遠にやっていたかもしれない……。
だって、涼太は焼かれてしまうのだから!
涼太はお骨になった……。
そしてまた家に戻ってきた。
母も父も祖母も私も、まだまだ本当になにが起こったのかわからないでいたわ。
現実なんだろうけど、現実の世界ではない感覚の中にいたのよ。
これはそういうことを経験した人なら、わかるのではないかと思うけれど……。
「あのお母さん悲しくないのかしら」
もしかしてそんな風に見えた人もいるのかもしれない。
子供を亡くした人が現実をすぐに受け止められることはないのよ!
子供を亡くした上に、他人からの非難を受ける。
本当に残酷すぎる現実だと思ったわ。