車椅子から見える愛
涼太のいない日々
母は、自分が今どこの世界で生きているのかもわからない毎日が続いていた。
家族、特に子供に死なれた人たちは、一生地獄の中にいなくてはいけないのだと思う。
「早く忘れてあげないと涼太くんが悲しむよ」
そんなことを言う人がいるけど、本当にそうなのだろうか?
それに忘れろとか、悲しむなとか言われても無理だと思う。
忘れるわけがないし、悲しみは一生続くのだから。
言う人の神経がわからないわ。
そんなことを言われてもなんの慰めにもならないのに。
慰める気持ちがあるなら、たまにでもいいから悲しみの中にいる人に会いに行ってあげて欲しいと思う。
言葉だけが慰めではないのだから。