車椅子から見える愛
涼太はたった8年しか生きられなかった……。
もう楽しく遊ぶことも、美味しいものを食べることも、なんにもできない……。
なのに、母は自分が食べたりすること、笑うこと、少しでも楽しいと思うことは、涼太に悪い。そんなことをする自分を許さないと思ってる感じなのだ。
涼太が死んだのは母のせいではないのに……。
おばあちゃんもそんな感じなのよ。当たり前と言えば当たり前なのかもしれないけど……。
「気晴らしに祭りに行こうよ」
おばあちゃんの友達が、そう声をかけたみたい。
「気晴らし?涼太が死んだのに気晴らし?できるわけないし、気晴らしとか言う神経を疑う!」
愛する人の死は、こんなにも人の気持ちや生活を変えてしまうものなのだね……。