車椅子から見える愛

「とにかく私がまた車で送れるようになったら行きますから」


母は先生にそう言った。


「あ〜良かった。もうかりんちゃんに会えないかと思ったわ」


たったの3日しか離れていないのに、大げさな母なのよね。


でも、あの息のできない苦しさはなんなのかわからなくて、もうこのまま死んでしまうのではないか?って、母は本気でそう思ったみたいだもの。


まさかうつ病とは……。


うつ病も大変な病気だけれど、母はガンでもなんでもいいから本当の病名が知りたいと覚悟までしたんだよね。


病名がわかったのならそれを治療できる。それだけのことなんだって、そんな風に思うのが母みゆきなのよ。


まだ、心療内科には受診もしていなかったし、きついのは変わらないのだけど、気分的に違うんだろね。


< 272 / 467 >

この作品をシェア

pagetop