車椅子から見える愛

毎日毎日、一日中点滴に繋がれて、尿道まで繋がれて、身動きができない。


帝王切開は子宮が自然に収縮しないので、黄色い点滴で収縮させるのだ。


それが入るときのしびれ館はたまらない。そして急激にくる収縮にのたうちまわりそうになる。


やっと3日後には尿道の管もとれ、少しずつ歩く練習をして、早く赤ちゃんの顔を見に行きたくて無理してナースステーションまで行った。


そのときもまだもうひとりの子は本当に大丈夫なのかもわからない状態だった。


ナースステーションで
「私の赤ちゃんはどこですか?」
と聞く。


「えっ?桜庭さんの赤ちゃん?」
とナース。


まさかいないの?
そんな……


「あ、あそこの奥の保育器にいますよ」


脅かすな!
あれだ、あれが私の赤ちゃんだ!
可愛い!めちゃくちゃ可愛い!
よく見えないけど、可愛い!!


それから毎日、一日に何回も赤ちゃんを見に行った。みる度に大あくびをしているわかをなんとのんきな子なんだ、とそのときはそう思っていたのだけど……


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