車椅子から見える愛

「そろそろ子供の名前を決めないと」
主人がそう言った。


生まれる前から決めていた、かりんという名前にした。


かりんは2100gの未熟児。
カナは1600g。
カナちゃんも頑張っていたのに。


かりんは私が絞って哺乳類に入れた母乳もあまり飲めない状態で、なかなか大きくなれず、保育器からは出たものの、小児科での入院が必要になった。


産後の体で母子入院しなくてはいけなく
なった。


小児科を退院するときに、医師から
「生まれたときに仮死状態ということで、ケイレンも起こしたので、専門の病院に診てもらった方がいいんだけどね」
と言われた。


でも、そのときに紹介状をもらったわけでもなく、私たちは意味がわからず退院してからも専門の病院へは行かなかった。


「もうひとりの子は正常です」
お腹の中にいるときに言われたこの言葉だけが私たちの救いの言葉だったのだ。


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