車椅子から見える愛
ーなんだろうこれ。歩くってこんなに不安なものだったのかー
6年間もの間、歩くことはベビーカーを押すこと、という形になってしまっていたのだろう。
歩き方がわからないくらいだった。
まるで宇宙の中に、放り出されたかのように……。
そして、かりんのベビーカーを他人に押してもらうというのも、始めてのことだった。
私は今まで、かりんのことは全部自分がやることだと決めていたんだと気づく。
それは、自分自身が一番安心することでもあったのだ。
かりんを必要としているのは私だ。