車椅子から見える愛

かりんをまた、短期入所の施設に連れて行って、明日入所の準備をして、M田苑に来なければならない。

「ぎっくり腰になったからできないかも」

そう言うと、支援センターの人が、デイサービスの人に行ってとらえないか聞いてみようと言ってくれた。

最後くらい協力してくれるかもしれない。

施設に戻り、デイサービスの職員に話をしたが、車を出せない、と冷たい。

デイサービスに来ないなら、もう関係ないと言いたいのだ。

今までお世話になったけど、あまりにも血も涙もない態度に悲しくなる。

「じゃあ、わたしが車を出します」

そう言ってくれたのは、やはり支援センターの人だった。

しかも、ぎっくり腰のわたしのために、朝、うちのマンションに寄ってくれ、オムツなど車に運んでくれ、それからデイサービスの施設に行き、かりんを迎えに行った。

「かりんちゃん元気でねー」

はいはい。
さようなら。

わたしたちはM田苑に向かった。


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