車椅子から見える愛
母みゆきはどうしてもどうしても自分の子が死んでしまうとは思えなかったんだよね。
だからもうそういう話は家族ではしない、ふたりとも絶対元気に産まれてくると信じることにしたの。
おばあちゃんも父もそう思っていたと思う。
その証拠に産まれるのはひとりではなく、双子だという気持ちで過ごしていたんだよ。
だから妊娠6ヶ月のときには、双子を育てるにはどうすればいいのかということを真剣に考えはじめてた。
父と母の住まいは2階建ての一軒家を借りていた。
1階はキッチンとリビングとトイレとお風呂、2階で子育てしなくてはならないことになる。
やはりおばあちゃんに子育てをしばらく手伝ってもらわないと無理だということになり、母の実家へと引っ越すことになったのよ。