Blood Tear
彼女を受け止めたジークは尻餅をつきながら抱きかか えると痛みに小さく声をあげた。
開いた傷口に気づくと胸の中の彼女はすぐさま治癒を施す。
その力を使わせまいと遮るが、彼女は止める事なく彼の傷を完全に治すのだった。
「ありがとう…ありがとう、ジーク……」
「放しません…もう絶対に放しません、シェイラ……」
胸の中で涙を流す彼女を抱き締め、柔らかな髪ににそっと口付ける。
様子を伺いに来たコウガ達は遠くから静かに2人を見守った。
降り出した雨は止み、厚い雲に覆われた空から月が顔を覗かせる。
暗闇の中綺麗に輝きながら、2人の幸せを祝っていた。