Blood Tear


未来をそう簡単に変える事など不可能。



彼等には未来を見る事などできない筈なのに、何故未来が変わったのか。




 「彼女…否、彼ライアはこの世界を変える人物。彼が望む通りに世界は動く。未来など、彼は簡単にねじ曲げる」


 「そうか……最近未来が異様に変わりだしたと思っておったが、君が元凶だったとはな……」


背後からの声に振り向くと大剣を肩に担ぎながら言う男が目に入る。


敵に挟まれる彼女は分が悪いと顔をしかめた。




 「ハァ……やっとこの身体を扱えるようになったんだ。少し遊ばせてもらうよ、セルビア・フォールン」


ライアと呼ばれた細身の彼は首を回しながらナイフに指を添える。


ふっと笑うとナイフを鋭い刃のレイピアへと変化させ、地を蹴ってセルビアに襲いかかった。











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